チベット伝統医学
千年以上の長い年月をかけて作り上げられたチベット香の体系。その骨格となる知識・経験は膨大で多岐にわたりますが、とりわけ重要な役割を果たしているのがチベット伝統医学です。
目次 :
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チベット伝統医学とは - 01
チベット伝統医学とはその名のとおり、チベット文化圏に3千年前から伝わる医学体系。中国の漢方(中医学)、インドのアーユルヴェーダ、イスラムのユナニ医学と並ぶ、世界四大伝統医学のひとつとされます。
伝統医学というと現代の日本では「過去のもの」とイメージされる方があるかもしれません。けれど伝統医学は今なお一般に利用され、研究、発展が進められている現役の医学体系です。
たとえば漢方などは近時、日本でも再評価が進められているようです。テレビなどメディアで頻繁に取り上げられるようになりましたし、西洋近代医学の医師(一般的なお医者さん)が漢方を処方してくれる機会も増えました。
特徴は? 西洋近代医学との違い - 02
西洋近代医学とチベット伝統医学。いずれも病気を治し、人を健康にするという目的では共通しますが、そのアプローチは異なります。
現代の私たちにとって身近な西洋近代医学は病気の症状(患部)に着目し、対処します。たとえば風邪をひいて喉の痛みを訴える患者に対し、喉を診て、その炎症を抑える処置をとるのが西洋近代医学のスタイルです。
それに対し、チベット伝統医学では患部のみでなく、神経・精神も含めた身体の全体に着目します。身体全体のバランスを整えることによって病気を治そうと考えるのです。たとえば「ストレスが重なると免疫機能が衰え、風邪をひいたり、体調を崩しやすくなる」など、最近では西洋近代医学でも意識されるようになった事柄がチベット医学では古来、基本的な考え方のひとつとなっています。そしてストレスをはじめ、体調を狂わせる様々な要素を除去するために薬草の服用や外用治療の他、様々な手法がとられるのです。
その手法にはお香の使用も含まれます。
チベット伝統医学とお香 - 03
チベット伝統医学では治療の手段としてしばしばお香が使われます。もちろんお香ならば何でもよいというわけではなく、治療で使われるお香はチベット伝統医学のレシピに基いて作られたものに限られます。
チベット伝統医学では古来、薬草・生薬の研究に力が入れられてきました。その高度に体系化された薬草・生薬の知識がチベット香の調合にも生かされています。
たとえば、「癒し香」といわれるお香があります。ストレスを緩和し、肉体の緊張を解いてくれる天然素材(生薬)をいくつも選び出し、その効果を最大限に引き出すため、絶妙な割合で組み合わせて作られた癒し香は現地で不眠症、鬱病、頭痛、肩こりなど神経に関係する病気を治療したり、ストレスを取り除いて自然治癒力を高めるために使用されます。
私が親しくしているチベット香メーカーの社長は常々「なによりも身体のことを考えてお香を作っている。安全で質の高い材料を使って丁寧に作ったお香には自ずと香りの質も伴ってくる」と言っています。その真摯な姿勢を私は心から尊敬しています。
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3,390円 | |||
チベット伝統医学のレシピに基づく癒し香。鎮静効果の高い沈香に様々な薬草、天然樹脂が調合されています |
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2,790円 | |||
極めて高い浄化能力を各方面からお褒めいただくお香。チベットでは病気の空気感染を予防するために焚かれることもあるそうです |